このように

書面情報+現地確認+周辺情報

を組み合わせて居住状況を確認します。

― 住民票だけでは分からない「生活実態」を確認する調査 ―

民事訴訟では、被告の住所が確認できない場合や、
住民票の住所に実際に居住しているか不明な場合があります。

例えば次のようなケースです。

・住民票の住所に住んでいない
・転居後も住民票が旧住所のまま
・郵便物が届かない
・送達ができない

このような場合、裁判手続きでは
対象住所に実際に居住しているかどうかの確認が必要になることがあります。

その際に行われるのが

居住実態調査(住所確認調査)

です。

この記事では

  • 居住実態調査とは何か
  • 裁判手続きで必要になる理由
  • 現地確認調査の具体的な方法
  • 聞込み調査が行われるケース

について解説します

この記事でわかること

・居住実態調査とは何か
・裁判手続きで必要になる理由
・具体的な現地確認調査の内容


居住実態調査とは

居住実態調査とは、

対象人物が実際にその住所に居住しているかどうかを確認する調査

です。

住所調査では、住民票や登記情報などの書面情報だけでは、
実際の生活状況までは確認できない場合があります。

例えば次のようなケースです。

  • 住民票の住所にすでに住んでいない
  • 家族のみが居住している
  • 空き家になっている
  • 事務所として使用されている

このような場合、

現地確認や周辺環境の情報整理

によって居住状況を確認します。

住宅の居住状況を確認する居住実態調査のイメージ

居住実態調査では対象住所の生活状況を確認します。


なぜ居住実態の確認が必要になるのか

なぜ裁判手続きで居住実態調査が必要になるのか

裁判では、訴状や通知書などの書類を

被告の住所へ送達

する必要があります。

しかし次のような場合、送達ができないことがあります。

  • 転居後も住民票が旧住所のまま
  • 長期間空き家になっている
  • 家族のみが居住している
  • 法人住所のみ登録されている

その判断材料として、

居住実態調査の結果

が参考資料として提出されることがあります。


居住実態調査の手順(調査フロー)

居住実態調査は、複数の情報を整理しながら進められます。

① 住所情報の確認
住民票・戸籍附票など住所情報を整理

② 現地確認
対象住所の建物状況を確認

③ 居住状況の確認
生活の痕跡を確認

 必要に応じた聞込み調査
周辺住民への聞込みによる情報収集

 情報整理・調査結果のまとめ
現地情報を整理し・調査結果をまとめる

 

このように

書面情報+現地確認+周辺情報

を組み合わせて居住状況を確認します。

集合住宅ポストの郵便物状況を確認する居住実態調査のイメージ

郵便物の状況なども居住実態確認の手がかりになります。


現地確認で確認されるポイント

現地確認では、対象住所の

生活の痕跡

を確認します。

具体的には次のような点です。

・表札の表示
・郵便受けの名札
・郵便物の滞留状況
・電気メーターの作動状況
・ガスメーターの作動状況
・ベランダの洗濯物
・駐車車両の有無
・自転車の有無

これらの外形的事実から

建物が実際に生活の場として利用されているか

を判断します。

聞込み調査は、周辺環境によっては実施が可能な場合があります。

周辺環境から居住状況の情報を収集する調査
として聞込み調査が行われることがあります。

聞込み調査とは

居住実態の確認では、現地確認だけでは
生活状況が判断できないケースがあります。

例えば次のような状況です。

・表札が掲示されている
・郵便受けが整理されている
・建物に生活感がある

しかし実際には

  • すでに転居している
  • 家族のみが居住している
  • 長期間不在

というケースもあります。

このような場合、

周辺環境から居住状況の情報を収集する調査

として聞込み調査が行われることがあります。

聞込み調査では、例えば次のような情報を確認します。

・対象人物の出入り状況
・最近見かけたかどうか
・転居の情報の有無
・現在の居住者の状況

これらの情報は、

居住状況を客観的に整理するための参考情報

として扱われます。

聞込み調査が可能な環境

聞込み調査は、周辺環境によっては実施が可能な場合があります。

例えば次のような環境です。

住宅街

戸建住宅が並ぶ地域では、
近隣住民が生活状況を把握している場合があります。

小規模アパート

小規模集合住宅では

・隣接住戸の住民
・管理人

などが居住状況を知っていることがあります。

地域コミュニティがある地域

地方都市などでは、

・転居
・長期不在

などの情報が共有されている場合があります。

聞込みが困難な環境

一方で、次のような環境では
聞込み調査が難しい場合があります。

・大型マンション
・オートロック物件
・都市部の集合住宅
・住民交流の少ない地域

このような場合は

現地確認と情報整理を中心とした調査

になります。

居住実態調査と所在調査の違い

よく混同される調査に

所在調査

があります。

違いは次の通りです。

調査 目的
所在調査 現在の住所を特定する
居住実態調査 その住所に実際に居住しているか確認

裁判では、

住所の特定+居住状況の確認

の両方が必要になることがあります。

まとめ

居住実態調査とは、

対象住所に実際に生活しているかどうかを確認する調査

です。

裁判手続きでは

・送達手続き
・公示送達
・住所確認

などの場面で必要になることがあります。

調査では

  • 現地確認
  • 建物状況の確認
  • 周辺環境の情報整理
  • 必要に応じた聞込み調査

など複数の情報を整理し、

居住状況を客観的に判断します。

 


弁護士実務との関係

居住実態調査は、
裁判手続きにおける判断材料として利用されることがあります。

例えば、公示送達の申立てでは
対象住所の居住状況が問題になることがあります。

公示送達については、次の記事で詳しく解説しています。

 

公示送達が認められない理由とは|所在調査・居住実態調査の実務

 

また、所在調査については次の記事で解説しています。

 

 

【2026年最新】所在調査とは?弁護士が依頼する住所確認の重要性と3つのメリット

 

 

よくある質問

居住実態調査とは何ですか?

対象人物が実際にその住所で生活しているかどうかを確認する調査です。

裁判で必要になることがありますか?

送達手続きや公示送達の判断材料として利用される場合があります。

 


弁護士・法律事務所の皆様へ

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